膝の健康を守る注目の成分「コンドロイチン」

全身にかかる負荷が集中し、いったん損傷すると治癒しにくいのが膝関節です。膝関節の主な疾患は軟骨の破壊(すり減り)による半月板損傷と変形性膝関節症で、予防成分のコンドロイチンが古くからサプリメントなどで親しまれています。そんな人気の健康成分コンドロイチンの概要と、具体的な作用についてご紹介します。

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コンドロイチンで予防できる関節疾患

コンドロイチンはギリシャ語で「軟骨」を意味する「コンドロス」を語源とする成分で、語源が示すように人の関節軟骨に多く含まれています。元々は人の体に過不足なく存在するはずですが、年齢と共に膝軟骨の破壊が進み、軟骨を修復するために多く使われるので、不足することがあります。 そんな場合に備えて日頃から意識的に摂取しておくと、軟骨の破壊を起因とする膝関節の疾患、半月板損傷と変形性膝関節症を予防することができます。

 

コンドロイチンの3つの作用

膝軟骨の修復を促すコンドロイチンの効果を具体的にひも解くと、主に3つの作用に分類することができます。

1つ目の作用は「炎症の抑制」です。 半月板損傷や変形性膝関節症の初期症状は、関節に腫れや熱感を伴った炎症が起きることですが、コンドロイチンの服用で、炎症抑制や抗炎症剤利用の減少が認められています。 

2つ目の作用は「軟骨材料の生成促進」です。 傷ついた軟骨細胞にコンドロイチンを加えると、関節軟骨を破壊する酵素の分泌が低下し、関節軟骨の材料であるプロテオグリカンの生成量が増加することが確認されています。 

3つ目の作用は「関節内の水分保持」です。 コンドロイチンは関節内に水分を集め、集めた水分が関節をスムーズに動かず関節液として有効に働くようコントロールする作用があります。 

これら主な3つの作用を発揮するコンドロイチンは、多くの臨床試験で効果が認められていますし、人体に元々存在する安全な成分です。膝関節に不安を抱える方は、サプリメントなどで積極的に摂取してみてはいかがでしょうか?

 

 

寺尾 友宏
御茶ノ水セルクリニック院長

職務と平行して学んでいた京都大学院の医学研究科では、幹細胞研究に参加するなど、再生医療のような新治療の開拓に強い興味を抱く。
また、現場ではスポーツ整形外科医として医療に従事。杖道を行っていたこともあり、武道を始め、テニスやゴルフ、野球、サッカーなどの様々なプロアスリートを診療してきた実績を持つ。
このような背景から、ミクロ(細胞)とマクロ(動き)の総合的な回復を信条として治療にあたる中、特にPRP治療の症例は多数。

資格
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科 スポーツ医
日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医
日本医師会 健康スポーツ医
日本医師会 産業医
日本体育協会 スポーツドクター